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【海外ミステリ】 ケン・ブルーウン『アメリカン・スキン』


◇本書から (鈴木恵訳 早川 2008)
『おれはビュイックを買った。アメリカに敬意を表し。おれのオーラのようなダークブルー。ほぼ新車。
店員が「ボンネットをあけてみてください、エンジンはびんびんですから」と言う。
おれはその言葉を信じ、あまり真剣に値切らず、表示価格から500ドルだけ引かせた。
店員はにやりとし、「やりますね、お客さん」と心にもないことを言い、おれがその車で走り出そうとすると、「満タンにしてありますから、安心してどうぞ」と付け加えた。
 まさにアメリカン・ドリームだ。自分の車に乗り、屋根をあけ、ハイウェイ66号線を突っ走る。ときどきおれはひどくこの国の皮膚をまといたくなることがあるが、そんなときはいつもおれの中のアイルランド人が、「マルボロの広告に出ていた男は癌で死んだんだぞ!」と囁く。
ラジオが鳴っている。カントリー局、キミー・ローズとウィリー・ネルソンの歌うトム・ウェイツの"Picture In a Frame"…いい歌だ。ただでさえ暗い心がますます暗くなる。』


◇ ゴルウェイ生まれという生粋のアイルランド作家ということにひかれて初めて手にしたもの。無理に誘われた銀行強盗をして、アメリカに逃亡した主人公が犯罪者たちに追われる…といったシンプルな構成だが、アメリカ人になりすまそうとするが、どこでも「あんたアイルランド人だろ」と見破られてしまうのが滑稽だ。酒好き、音楽好き、アイリッシュ同士の絆の堅さ、回りは詩人ばかり、思ったことをそのまま言えないナイーブなキャラクター…というアイリッシュらしさがページの随所にでてきて楽しめる。
  全米に4,000万人いるといわれるアイルランド系アメリカ人の多さもさることながら、彼らが代々、警官・消防士など危険な仕事の分野に多く従事していたために、ミステリの分野ではアイリッシュ系の登場者がすこぶる活躍する。ミステリとアイリッシュは切っても切れぬ仲ですね。
 引用はタイトル「アメリカン・スキン」に繋がる心情について語られるシーン。他には根っからの犯罪者がラスベガスからトゥーソンに向かうときに乗るピックアップ・トラック…始終カントリー歌手のタミー・ウィネットをかけて悦にいっている。(2010.4.30 #631)

| ミステリーとクルマ | 09:02 | comments(0) | trackbacks(0) | home↑

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