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【海外ミステリ】 サンティアーゴ・パハーレス『螺旋』


◇本書から (木村榮一訳 ヴィレッジブックス 2010)
『うしろからクラクションを鳴らされるまで彼女は足を止めなかった。二人が振り返ると、あごひげを生やし、めがねをかけた小柄で丸々太った男の姿が目に入った。男は車のなかからそばにくるようにと合図した。
「乗りませんか?」
「どうゆうことですの?」シルビアが尋ねた。「タクシーなんですか?」
「いえ、違います。ただ、エル・ウメネーハまでは少しあるので、そこまで乗せてあげようと思ったんですよ。もっとも散歩を楽しんでおられるのでしたら、話は別で…おわびしなければなりませんが」
「たしかにあの店へ行くんですけど、どうしてそうだと…」
「私もそちらに行くので、声をかけたんですが、よかったらお乗りなさい」
 車はワゴン車のルノー12で、塗装がはげてさび付いていたし、座席のシートも擦り切れていた。車に乗ると、シルビアが尋ねた。
「どうして分かったんですか?」
「何がです?」
「私たちがエル・ウメネーハに行くということですわ。どうして分かったんです?」
マジシャンに種明かしをしてほしいとせがむように楽しそうな口調で言った。
「ああ、そのことですか。簡単ですよ。あなた方はこの土地の方ではないでしょう?」
「ええ、バリャドリッドから来ました」シルビアは愛情のこもった目でダビッドをちらっと見てそう答えた。ダビッドは村人の思いもかけない押し付けがましいほどの親切な申し出にまだ戸惑っていた。』


◇ スペイン若手作家の処女長編でありながら、スペイン地方人の豊かでユーモアあふれる人物と情景描写、スペイン企業やワーカーの今日的環境を織り交ぜて…麻薬問題は余分だったように思いますが、まさに螺旋のごとく結末に向かって収斂してしていくストーリーなどなど感服!!、本好きを100%面白いとうならせる絶妙のプロットでしょうね。第2、第3作が出ているので、ぜひ早く翻訳をお願いしたいところです。
 ただし、後段になにげなく出てくるいくつかの伏線の微妙なつながりは、何回読み直しても完璧に理解したとはいいがたい。とくに結末で初版本が発見されるあたりは、自作が刊行されていること知らなかったはずの執筆者がやはり認知していた…と読んだのですが、さてどうだか? 引用は、謎の執筆者探しのためマドリッドからピレネー山中のとある村にきたデビッドと妻が村人の車に乗せてもらうシーン。この村に主人公夫妻がやってくる道中など詳しく書かれているけど、車種は不明。マドリッドでヤクを買いに来る男のトヨタ・セリカ、コンピュータのシステムエンジニアのおんぼろフォード・フィエスタ、村の女性大工のホンダ・シビック、パトカーのプジョー307などが登場する。(2010.8.13 #645)

| ミステリーとクルマ | 11:20 | comments(0) | trackbacks(0) | home↑

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