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【海外ミステリ】 イアン・サンソム『アマチュア手品師失踪事件』


◇本書から (玉木亨訳 創元 2010)
『もっとも、このヴァン全体がそんな調子なので、驚くまでもなかった。結局は慣れの問題だった。実際、オイル交換とタイヤ空気圧の点検と冷却水の補充につねに目を光らせ、ドアに欠かさずワセリンをさしてすべりをよくし、給油の祭に給油装置のトリガーをきつく握り過ぎないように注意し、交流発電機のベルトの替えを常備し、さらにいつでもすぐ来てくれる献身的な修理工がいてくれさえすれば、このヴァンにはなんお問題もなかった。
 確かに、イスラエルの母親がロンドンの実家で使っていたおんぼろのホンダのシヴィックよりも、すこしばかり手間と整備が必要かもしれない。だが、間隔を自由に調節できる棚と2000冊の本を搭載するのは、シヴィックにはできない芸当だった。それどころか、シヴィックにはスーパーマーケットでの一週間分の買物とチョコレートライム・キャンディの袋と数枚のCDを積み込めたら、それで御の字だった。
 自分でも驚いたことに、イスラエルは都会での小型車の運転を卒業し、田舎を走り回るおんぼろの大型車の運転にすっかり順応していた。硬いギアや普通の車よりも高くて座り心地の悪い運転席に慣れ、かすかな異常音や振動に耳をすましてヴァンがふっ飛ぶまえにテッドにエンジンを調べてもらう習慣もすっかり身についていた。すべてが順調にいっていて自分が機械にさわらずに済む限り、イスラエルにはなんの不満もなかった。』

--COMMENT--
 移動図書館貸出記録シリーズ第2作は、田舎町になんとか順応してきた主人公が、展示のために訪ねていた地元百貨店でその経営者の失踪事件に巻き込まれる。とても個性的な北アイルランドの風土習慣、人々とのやりとりが全編で楽しめる。
 引用は第1作にひきつづき、おんぼろ移動図書館車の再評価?に関する部分、なお、このヴァンは犯罪現場の証拠として警察に押収されたり、警察の記者発表の会場用に使われたりする。このヴァンに乗って、事件の真相を探りにイスラエルとテッドが、物語の舞台となるアントリム郡タンドラム(北アイルランドのネイ湖岸、この村名は架空)からベルファストやずいぶんと遠いドニゴール(アイルランドの北西岸)に出かけたりもする。他には、百貨店経営者の"シルバーのメルセデスSL600"なども登場。また本作では、自転車に乗らなければならない場面もあって、さすが自転車の本場らしくスペックなど詳細に紹介されていた。イスラエルが借りる古い自転車は"スターメー・アーチャー社の3段変速ハブつきラレー・エルスウィック・ホッパー"、少なくとも80歳以上の地元の男性が乗る"パーツにカンパニョーロを使っているイタリア製のデ・セルビー"などと凝っていますなぁ。(2010.9.22 #654)
サンソム作品セレクション

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