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【海外ミステリ】 エド・マクベイン『ノクターン』


◇本書から (井上一夫訳 早川 2000)
『ガソリン・スタンドの事務所から出た刑事たちは、角に立っている金髪に気がつき、まぎれもなくその正体を見て取ったが、それっきりそっちに目をくれようともしなかった。ヨランドもふたりに気づき、その正体にも気づいたし、二人が標識のない濃紺のセダンに乗り込むのを用心深く見守った。白いジャガーが彼女の立っている歩道に近寄ってきた。助手席の窓が音もなくあく。信号の灯りが車と歩道とヨランドを赤く照らした。彼女は通りの先の黒っぽいセダンが、排気管から煙の尾を引くのを見るまで待った。そこで歩道につけた車の窓を覗き込み笑顔でいった。「ねえ、ちょっと、パーティーをやりたくない?」
「いくらだ?」車の男は尋ねた。
信号が替わり、急に全てがグリーンになる。
一瞬の間をおいて、二台の車は反対側に走り出した。まだ夜はこれからだ。』

--COMMENT--
 読み返し中の87分署シリーズ第48作は、名声を博した元ピアニストの老女殺人の事件、同じ日に起きた娼婦殺人事件とヤク売人と娼婦のヒモの撃ち合い事件を87分署の面々と88分署のオリー刑事が別々に追う。寒々とした暴力の街ニューヨークを描かせるとマクベインは一級です。
 信号の灯りが登場人物、もし刑事が彼女に声をかけたらその後の展開ががらりと変ったであろう運命のすれ違い、を照らしだす引用部分は、そうした夜の街を目に浮かばせるような見事な描写。本書タイトルの「ノクターン」を想起させる<…まだ夜はこれからだ…>も、恐れ入りました。
 他の登場車は、ガソリン・スタンドで修理中だった警備員のキャディラック・リムジン、刑事たちのシヴォレーセダン、娼婦のヒモのレクサスなど。(2010.9.27 #655)

| ミステリーとクルマ | 11:38 | comments(0) | trackbacks(0) | home↑

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