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【海外ミステリ】 アン・タイラー『ノアの羅針盤』


◇本書から (中野恵津子訳 文春 2011)
『そして9時近く、人が到着し始めた。スーツ姿の若い男たち、あらゆる年齢層の女たちが、二人三人とかたまって歩き、しゃべったり、笑ったり、肘をつつきあったりしながら建物のなかへ入っていった。リーアムは、いっしょに働く者同士の仲間意識が懐かしくて、少し胸がうずいた。
 つなぎの作業服を着た男がリーアムのそばを通り過ぎ、停めてあったパネルトラックに乗って走り去った。その直後、まるで示し合わせていたように空いたスペースに薄汚れた緑色のカローラが滑り込んできた。運転席から女がおりてきた。記憶係だ。今日もエスニック風の大きなスカートをはいているが、ひょっとしたら先日と同じスカートかもしれない。暑さのせいでカーリーヘアの巻き毛が濡れているように見える。彼女はカローラの後ろを通って助手席へと回った。
 リーアムの目の前を通ったので、道路を引きずるサンダルの音まで聞こえた。彼女が助手席のドアを開けると、コープ氏が座席からゆっくり降りてきて、腰を伸ばしてまっすぐに立った。』

--COMMENT--
『結婚のアマチュア』以来、6年ぶり邦訳13作目の本書は、60歳になって学校からリストラされた教師が、偶然出会った記憶係のユーニス(物忘れのひどくなった経営者の秘書役)と、教師の別れた妻と娘たちとのふれあいを通じ老境を考える。どこにもいそうなごく普通の人たちの心の機微が、ユーモアと情感をこめて語られる…タイラーはやはり随一ですね。
 引用は主人公のリーアムがユーニスの出回り先に出かけるシーン。カローラが登場するのは近年のノヴェルではかなり珍しい。もっとも、リーアムの車もジオ・プリズムで、娘たちからいい年の男が乗る車じゃないとくさされる。他に、リーアムの父親の"はしけのように大きなシボレー"、娘の"赤いジェッタ"など。ユーニスの夫の"売りに出された最初の年から乗ったプリウス"…ハイブリッド車の登場がだんだんと増えてきている。
ちなみにプリウスは以下著作にも登場。
  マイクル・クライトン『恐怖の存在』
  ジェフリー・ディーバー『スリーピング・ドール』
  イアン・ランキン『最後の音楽』

アン・タイラーのセレクション   (2011.10.26 #714)

| ミステリーとクルマ | 10:17 | comments(0) | trackbacks(0) | home↑

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