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【海外ミステリ】 ヘニング・マンケル『背後の足音』


◇本書から (柳沢由実子訳 創元 2011)
『1996年8月7日、クルト・ヴァランダーはイースタの東側で危うく自動車事故で死ぬところだった。
 まだ早朝の6時過ぎ、ウスターレーンに向かってニーブロストランドを通り過ぎたとき、突然愛車のプジョーの前に巨大な長距離トラックが現れた。トラックの警笛の響と彼が急ハンドルを切ったのが同時だった。
 路肩に車を停めたとたん、恐怖に襲われた。心臓が早鐘のように鳴り、吐き気とめまいがして気を失いそうになった。両手はハンドルをきつく握り締めたままだった。
 やっと落ち着いたころ、なにが起きたのかのかを理解した。居眠り運転をしたのだ。目を閉じた一瞬の間に、車を対向車線に乗り入れてしまったのだろう。
 あと一秒遅かったら、巨大な長距離トラックに押しつぶされて死んでいたに違いない。そうわかったとたん、頭が空っぽになった。それから数年前にティングスリードの路上で巨大なヘラジカにぶつかりそうになったときのことを思い出した。
 しかしあれは霧が立ち込めた夜のこと。今回の居眠り運転とはわけがちがう。疲労。』

-- COMMENT --
 イースタ警察署クルト・ヴァランダー警部シリーズ6作目(全10作未訳2)は、3人の若者の行方不明の届出に続き同僚スヴェードベリーが殺害され、さらに若者たちと仲間の女性一人、結婚式をあげたばかりの二人とカメラマンが銃殺される事件が立て続けに起き、見通しの立たない捜査にヴァランダーは追いつめられる。上下で460ページにもなる大作にもかかわらず、次から次に思いもしない局面が展開しはらはらドキドキ(@_@)…うーんこのシリーズの中でも円熟の極みというか文句なしの面白さ。福祉国家スウェーデン社会の抱える病理を深くえぐる作品になっている。
 引用は第一章の冒頭センテンス。出だしから疲れすぎのヴァランダー登場と先行きが危ぶまれるが、案の定、当人は糖尿病と診断され、もうへろへろになりながらも必死に捜査班を指揮するのが痛ましい。若者たちのトヨタとヴォルボ、スヴェードベリのアウディ、被疑者の一人のマツダ、警察署受付エッバのヴォルボなどが登場する。
 巻末の小山正さんの解説にもあったが、スティーグ・ラーソン『ミレニアム』で北欧ミステリにはまった読者にも本シリーズはお勧め。(2011.11.12 #717)
ヘニング・マンケル

| ミステリーとクルマ | 17:40 | comments(0) | trackbacks(0) | home↑

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