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【海外ミステリ】デイヴィッド・ロッジ『ベイツ教授の受難』


クルマの登場シーンを抜書コレクションしたLagoon 100 Mysteriesから転載>

◇本書から (高誼進訳 白水社 2010)
『12月23日。叙事詩的「旅」は終わりだ。『父招来作戦」は完了した……問題がなくはなかったが。今日、何度も私は、列車で父を連れてきたほうが賢明でははないかと思ったが、この数年、その手段をについて考えるたびに、事がうまくいかないおそれが大いにあるので、やめることにした。クリスマス直前の列車は込むので、座席を予約しなければならないし、ミニキャブもブリックリーで予約しなければならない。-中略-
総じて、車で往復するほうに賭けたほうがよさそうだった。それでは時間がかかるし、交通渋滞もあるのも知っていたが、いったん父をシートに座らせ、父の荷物をトランクに入れてしまえば、特定の時間にどこかに着かなければならないなどということに気を使わずに済むし、遅かれ早かれレクター・ロードに着くのは確かなのだ。
 私は冬のまだ暗い午前6時半に、紅茶を一杯飲んだだけで家を出た。そしてほとんど無人の市中心部を車で疾走した。-中略-
 霧の出ているロンドンをゆっくりとしか走れなかった。通りは、まるで敵に包囲されるのを予想しているかのように、必死になって食べ物と飲み物を買いあさっているクリスマスの買い物客で混雑していた。』

--COMMENT--
"コミック・ノヴェル"の大家ということで興味があって読んだもの。老境にさしかかった難聴になやむ元言語学教授の身の回りがユーモアとペーソスを混ぜて綴られる。一人称と「彼」の3人称の使い分けに意味がありそうだが狙いはよく分からず。
クリスマスを挟んだ11月から、どんどんぼけてくる父親をみとる3月までの交流が主題だが、老い、死に深く切り込むのではなくいろいろな誘惑に打ち勝ち、家族に気を遣いながら、外から見れば滑稽でも淡々とこなしていくのが人生だ…と言っているように思う。ページ毎にくすくす笑えるシーンがたっぷり。
 引用は、クリスマスにロンドンに住む父親を迎えに行くのを列車にするかクルマにするか思い悩むところ、ちなみに、主人公のクルマは"補聴器をつけないで運転するとベンツのように静かに走る、買ってから4年経つフォード・フォーカス"。ほかに、ロンドンで乗る"使い古した赤いホンダ"のミニキャブ、一番景気がいい息子の"子どもの安全のためポルシェから買い換えた黒のBMW 4x4"、ポーランドのアウシュヴィッツ訪れるときの"古い黒のフィアット"などが登場する。(2011.12.16 #720)


| ミステリーとクルマ | 13:58 | comments(0) | trackbacks(0) | home↑

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